この政局が読めますかぁ?
☆過去記事「このブログはもっと戦ってます!」で、ご紹介いたしましたヘラトリさんたちの記事は、かなり先まで見通してくださっていて、安心して読まさせていただけるので、これは非常にありがたいんです。
今日は、この記事を書いたあと、久しぶりに好きな「写真」を撮りに行けますぅ~。(水曜日が休日なので)(^o^)
日本の政局を読み解くキーポイントとなる記事や、世界的視野における、アメリカ、中国事情が簡略に透けて見えてきます。
(ヘラトリとは、NYタイムズの国際版 International Herald Tribuneの略称です)
このヘラトリ49号を転載させていただきます。m(_ _)m
そして、時事刻々と情勢は変化いたしますので、さらに、ヘラトリ49号の補足(幸福維新の志士となれ)を、追加でご覧いただけると分かりやすいです。
『視線は早くも、“小沢”後に!
~ アメリカの黄昏(たそがれ)と鳩山政権の命運~』
この「ヘラトリ」で予想していたとおり、~「小沢さんの二度目の事情聴取」が、実は、31(日)の午後に行われていた~との報道が、1(月)夕方、一斉に流れました。
この記事は、皆様のお手元に配信される2(火)朝の段階では、まだ、次の進展はないという前提で書かれていますが、事態がどうなるかわかりません。
4(木)が、「逮捕された石川議員の拘留期限である」という、今のタイミングを考えると、「この時期に再度の事情聴取を仕掛けてきた」ということは、冷静に見れば、
「検察側が証拠固めをほぼ終わり、最後の申し開きの機会を小沢サイドに与えた」
と見て取れます。
実際、事件の“裏門”である、「ゼネコンからの金銭の授受」については、新聞報道から推測する限り、ほぼ証拠固めは終わったと思われます。
また、事件の“表門”である「収支報告書の虚偽記載に関する小沢氏の関与」についても、最大のポイントである大久保容疑者(元秘書)のところは、まだ不鮮
明ですが、それ以外の二人の元秘書(石川/池田)との関わりのところだけでも、立件できない訳ではないところまで、肉薄してきた様に思われます。
いざとなれば、裏門の件だけで起訴する手も、ないではありませんから(その場合の罪状が何になるかは、コメントを控えますけれども)、以上を総合判断すれば、将棋で言えば“王手”、チェスで言えば“チェックメイト”で、事実上、勝負がついたと思われます。
逆に言えば、これだけ固めた後での事情聴取において、小沢氏は、前回同様、「全面否定」で押し通した様ですから、このあと来る検察の反応は、かなり強硬なものになることが予想されます。
検察も、92年の金丸事件で、時の金丸副総裁を、逮捕も事情聴取もなく、略式起訴だけで済ませ、その後世論(マスコミ)の袋だたきにあうという、痛い目に遭っていますから、今回、小沢氏が全くの無傷で終わるという結末は、ないと思います。
仮に、そちら方向の幕引きに向かった場合には、(敢えて名前は挙げませんが)少なくとも、ある二つの強力なメディアが、絶対にそれを許さないでしょう。(念の為申し上げると、その二つには、産経は含んでおりません。それ以外でです。)
そして、憚りながら、この「ヘラトリ」も、そのときには、牙を剥くことになるでしょうね(笑)。
ということで、「ヘラトリ」の眼は、既にその先に向いています。
何らかの判断が出た小沢さんの扱いを、今後、民主党はどうするのか。(これにも様々なレベルがあります。)
形の上だけ身を引いて、実質“闇将軍”として、参院選を指揮するというのであれば、世論は絶対に許さないでしょう。
従って、この部分の扱いをめぐって、民主党は、事実上の分裂とダッチロールの渦に巻き込まれていくことになるでしょう。
そして、この間に、経済情勢はますます悪化し、
遅くとも、沖縄・普天間基地問題決着の最終期限である5月末までには、先ほど申し上げた、(党内の)二つの
相矛盾する力によって、民主党は引き裂かれて、鳩山政権は空中分解している公算が大であることは、因果の理法から観て明らかであると、言わざるを得ません。
そして、大事なことは、この事態に対して、自民党は全く無力であるということです。(この間、自民党の支持率も下がり続けています。)
いわんや、それ以外の泡沫既存政党に、世を救う力など、あるはずがありません。
本当に、強烈な発信をしていかなければならない時期が、近づいています。
そこで、今日は、それを考えるに当たって、最後に、2/1付のヘラルド・トリビューン紙の記事を取り上げながら、どれ位の責任が、今、我々の上にかかってきているかを明らかにしたいと思います。
トーマス・フリードマンというコラムニストをご存知でしょうか。
おそらく今、アメリカで最も影響力のあるコラムニストで、主著の『レクサスとオリーブの木』、『フラット化する社会』、『グリーン革命』は、いずれも世界中でベストセラーになりましたので、皆様も本屋さんで、タイトルを目にしたことがあるか
もしれません。
特に、『レクサスとオリーブの木』は、総裁の御示唆もあって、「ザ・リバティ」で特集が組まれましたので、覚えておられる方も、多いと思います。
彼が、2/1付けヘラトリ紙に寄稿文を載せていたのですが、そのタイトルが、
“Never heard that before”(「こんなセリフ、かつて聞いたことがないよ」)というのです。
実は、毎年この時期に、スイスのダボスという町で、「ダボス会議」というのが開かれるのですが、そして、この会議は民間主催の会議ではあるのですが、結構、各国首脳や一線級の経営者、著名な学者などが参加するので、その年の行方を占うのに、よく参考にされるのです。
鳩山さんも、当初、得意?の(笑)英語を生かして、参加する予定だったのですが、年が明けて、小沢疑惑が起きたので、あっさりキャンセルせざるを得なくなりました。
そのダボス会議に参加したトーマス・フリードマンの感想が、冒頭のタイトル「こんなセリフ、今までだったら聞かなかったよ」だったのですね。
その記事によれば、
「アメリカという国は、こういう国際会議の場では、批判されたり、からかわれたりするのは、宿命であり、それは、アメリカが国際社会の背骨(bedrock)であり、頼りにされていることの裏返しでもあったのだが、今回の会議では、それが違っていた。
というのは、私の記憶にある限り、アメリカに対して、「政治的不安定」(political instability)という言葉が使われたことは、かつてなかったからだ。
この「政治的不安定」という言葉は、通常、ロシアとかイラン、ホンジュラスといった国に対して使う言葉だ。
ところが今回は、外国の友人達から、
「おい、アメリカは一体、どこへ行こうとしているのか?本当のところを教えてくれよ」と、真剣に問い詰められる始末なのだ。
世界中の金融機関は、外交政策の専門家を雇って、カザフスタンとかアルゼンチンといった国に投資する前に、その国の政治的リスクについて、分析させるものだが、どうやらアメリカも、その分析・監視リストに追加されてしまったらしい。
発端は、オバマ大統領が、結局一年たって、自ら最優先にしていた「医療保険改革法案」を議会に通すことが出来ずに、事実上白紙に戻ってしまい、今や、反対党の共和党に擦り寄って、ご機嫌を取っている様子を見て、不安になったのだろう。
そして、彼らがどうやら、本当は聞きたいことは、
「アメリカ式(Washinton Consensus)の時代が終わって、中国式(BeijingConsensus)の時代が来るのか?」ということらしいのだ。
アメリカ式(W.C.)とは、開かれた市場と自由選挙、民主主義と言論の自由に代表されるものだが、
中国式(B.C.)とは、儒教と共産党の不気味な混血
(hybrid)で、一党独裁の下に、政府の強力な指導があり、強固に管理された資本市場と官憲の一方的な意思決定プロセスにより、普通の国だったら、世論を気にしてとても出来ないような、タフな意思決定や長期投資をやり抜いてしまう体制のことを言うのだ。(「そのような独裁国家には、出来たら住みたくな
いものですが。」ヘラトリ弁)」
鳩山政権も、十分ダッチロールしていますが、どうやら世界の目には、オバマ政権も、かなりダッチロールしているように見えるらしいのです。
「これから、どちらの方向に向かって進んでいこうとしているのか」が、見えない。
従って、「世界がどちらに向かっていくのか」も、わからない。
その中で、意図不明の中国の台頭だけが、やたらと目につく…。
しかし、少なくとも、多くの国は、中国政府の価値観には、あまり馴染みたくないので、このア
メリカの迷走(日本を含め)が、大きな不安定要因になっていることが、この一本のコラムからも、ひしひしと伝わってきます。
我々は、こういう世界に対して、答えを出していかなければならないのです。
もはや頼るべきものがないことが、いやがおうにも伝わってきます。
一つひとつの判断の責任が、非常に重くなってきました。